パーテックス素材とオクタ素材を組み合わせてAラインシルエットの軽量ランニングベストを制作しました。重量は174ｇです。ポケットに収納することができます。

風を程よく防ぎ、通します。毛足のある素材は軽量ながら暖かな空気をため込み、保温効果を発揮します。寒い時期に着用したままアクティビティを続けられるベストとなっています。
シルエットはあえてのAライン。裾に向かって広がっていく、スポーツウェアになりすぎない柔らかなシルエットとなっています。普段のスタイリングとも相性が良いデザインとなっています。

左右のポケットが微妙に異なります。
まず右ポケットは収納兼用です。収納してランの途中でポケットにしまっても、またトラベル時などにも使い勝手が良いです。左ポケットは小さなコンシールファスナーが付き、内側はオクタ素材の起毛面となっています。とても肌触りが暖かです。

ー機能
＞　耐風性
＞　透湿性
＞　撥水性
＞　速乾性
＞　軽量
＞　パッカブル
＞　ストレッチ性


ーデザインポイント
正面から見たときにアルファペットのAのように見える、上部に比べて下部が広がっているAラインシルエットとなっています。通常のスポーツウェアではこういうシルエットはなかなか採用しません。少しでもばたつきを抑えるよう身体にフィットさせるシルエットが主流かと思います。そこをTANNUKIではあえてのAライン、何より優しい印象を与え、カジュアルシーンにも馴染むシルエットとなっています。実際にワイドパンツなどと合わせてもとてもいい感じです。

やや大柄のひょうたん型キルトパターンにしています。ミリタリーや乗馬などで使われてクラシックな印象もあるキルトですが、ひょうたん型にすることでここでも柔らかく優しい印象を与えます。このキルトですが、フロントの右身頃と左身頃の柄を合わせるのがまたなかなか大変なんです。職人さんが確認しながら裁断、縫製してくれることで実現しています。

左右のポケットは形状が異なります。右ポケットにはパッカブル仕様のジッパーが備わっており、ポケット内に服を押し込むことで収納できます。そもそもとても軽量な製品です。小さく畳むことでより携帯しやすくなります。
一方の左ポケットには、表にジッパーが見えにくく、すっきりとした印象を与え、また柔らかさも兼ね備えるコンシールジッパーが使われています。右のパッカブル仕様では表生地面をポケット内に使う必要があったのですが、左ポケットではその必要がないため、暖かな起毛面が手に触れるような仕様となっています。左手にはうれしい仕様です。

フロントジッパーはすべりの良いビスロンタイプです。逆開仕様となっていまして、熱がこもるような際には下からぐっと空けてベンチレーション効果を体感いただけたらと思います。


ー素材
表素材にはパーテックスイクリブリアムを採用しています。パーテックス素材は現在のウィンドシェル素材の中では、そのバランスの良さにおいて最高の素材と思います。高密度で織られたナイロン素材で、非常に軽く、軽さの割には強い素材です。また速乾性の際立った高さも特徴になります。
風のマネジメントも秀逸です。まず耐風性について、完全防風というわけではありませんが、しっかりと風を防ぎます。そして、高い耐風性を持ちながら、通気性に由来する透湿性を発揮するところがこの素材の大きな特徴になります。動きながら着続けられるウェアの所以はここから来ています。
また織りによる工夫によって、ナイロン100％の素材でありながら若干のストレッチ性を持ちます。ここも動きやすさに通じる部分になります。

一方の中綿部分、帝人が開発した、中綿と裏地が一体となったオクタCPCPという素材を使っています。このオクタですが、繊維を顕微鏡で見ると一本一本が足を８本持つタコ足形状となっており、また中空形状にもなっています。このスペースに空気をため込むため、非常に軽量でありながら高い保温効果を発揮する素材となっています。
また表面積が大きいため速乾性にも優れます。メッシュ構造で通気性が良く汗をかいても蒸れにくいのも特徴です。

ストレッチ性のあるパーテックス素材にフワフワのオクタ素材、これをキルト状に縫い合わせるのがまた難しいのですが、ここも生地作りの職人さんがクリアしてくれています。
この二つの高機能素材を使って、ランにもカジュアルにも使えるキルティングベストが出来上がりました。

ー組成
表地：ナイロン100％
中綿及び裏地：ポリエステル100％

ーサイズ実寸
着丈 / 胸囲 / 裾囲
S / 60 / 110 / 130
M / 63 / 114 / 135
L / 66 / 118 / 140

ー収納時サイズ
13ｃｍ×23ｃｍ

ー重量
174ｇ（Ｍサイズ）

Model Photo: Hideaki Iwakuni